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AppleがiWork.aiドメインを購入、AI推進の大きな証拠となる

iWork 13のアイコン

画像: 鋳造所

ChatGPTが2022年11月にデビューして以来、人工知能(AI)は2023年に大きな話題となり、生成型AI(AIによるコンテンツ生成能力)の機能やサービスが至る所で登場しました。しかし、Appleはほとんど何も語っていません。今のところAppleから聞こえてくるのは、CEOのティム・クック氏が「Appleは何かに取り組んでいる」と保証する程度です。 

Appleが何か、あるいはいくつかのことに取り組んでいるという証拠がついに見えてきました。最新の情報はBuyAiDomains.comのレポートで、Appleが「iwork.ai」というウェブドメインを購入したと報じられています。これは、ドメイン名のWhoisデータベースの登録記録を確認することで確認できます。BuyAiDomains.comは、このことからiWorkアプリ(Keynote、Numbers、Pages)が「革命的な変革の瀬戸際にある」と結論付けています。これが事実なのかもしれませんが、Appleは単に他社にこのドメインを奪われないようにしたいだけなのかもしれません。

しかし、AppleがiWorkに大きな変更を加える可能性を示唆する証拠があります。iwork.aiの報道は、Appleが先週、MLLM-Guided Image Editing(略称MGIE)と呼ばれるオープンソースのAIモデルをリリースした後に発表されました。カリフォルニア大学サンタバーバラ校との共同開発で開発されたこのモデルは、ユーザーの指示に基づいて画像を編集できます。学会発表ではMGIEが実行できるPhotoshopのような機能について説明されており、Appleはコード、データ、そして事前学習済みモデルをGitHubからダウンロードできるようにしています。

iwork.aiの買収とMGIEのリリースのタイミングを考えると、Keynote、Numbers、Pagesが他の生成AI機能に加えてMGIEベースの機能を搭載する可能性が高いと容易に推測できます。iWorkアプリスイートは20年近く提供されており、Appleは最近大きな変更を行っていないため、将来のバージョンへの期待は低くなります。AppleがiWorkにもっと力を入れてくれると良いのですが、今回の動きは正しい方向への変化の始まりとなるかもしれません。iWorkはMicrosoft Officeの比較的軽量な代替製品ですが、AIへの積極的な取り組みは、Appleの新型デバイスに無料で付属するiWorkスイートのマーケティング方法を根本的に変える可能性があります。

Appleのソフトウェアにおける最優先事項はOSであるため、MGIEをはじめとする生成AI機能はOSアップデートで大きな役割を果たす可能性があります。ブルームバーグのマーク・ガーマン氏による10月のレポートでは、生成AIは次世代iPhone OSであるiOS 18で大きな役割を果たすと述べられています。iOS 18は、新バージョンのSiriとともに、6月のWWDCでデビューする予定です。しかし、Appleは2025年を目処にAI機能の大型化を目指しているとの報道もあり、WWDCで発表があったとしても、しばらくは待たなければならないかもしれません。

著者: ロマン・ロヨラ、Macworld シニアエディター

ロマンはMacworldのシニアエディターで、30年以上にわたりテクノロジー業界を取材し、MacをはじめとするAppleエコシステム製品を中心に活躍しています。Macworld Podcastのホストも務めています。彼のキャリアはMacUserで始まり、Apple認定修理技術者(当時はAppleがそのような制度を設けていた)として認定されました。MacAddict、MacLife、TechTVでも活躍しています。