
特許関連の複雑な訴訟の最新の動きとして、アップルは金曜日遅くに米国地方裁判所にサムスン電子のギャラクシータブ10.1の米国での販売を禁止する申し立てを提出した。
Appleの今回の訴訟は、iPadのデザイン特許の有効性についてAppleの主張を認める控訴裁判所の判決を受けて提起された。一方、AppleとSamsungは5月21日と22日に裁判所命令による和解交渉に入る予定であるため、差し止め命令が今後数日中に認められる可能性は低い。
ギャラクシータブ10.1に対する仮差し止め命令の申し立ては、ルーシー・コー判事がタブレットとスマートフォンに関するアップルとサムスンの特許請求を含む複数の訴訟を担当している北カリフォルニアの米国地方裁判所に提出された。
コー氏は今年初め、AppleがTab 10.1に対する特許請求で勝訴する可能性は低いと述べ、問題のiPad関連のデザイン特許請求は無効とみなされるというサムスンの主張を支持していた。サムスンは、iPadのデザイン特許の一部は特許を取得するにはあまりにも明白すぎると主張している。
しかし、今週初め、連邦巡回控訴裁判所はiPadのデザイン特許の有効性に関してAppleの主張を支持した。
「本裁判所はアップルが実質的に勝訴する可能性を立証できなかったと結論付けたが、連邦巡回控訴裁判所は、サムスンが自明性に基づいてD'889特許の有効性について実質的な疑問を提起できなかったと判断した」とアップルは金曜日にコー氏に提出した申立ての中で述べた。
申立書の中で、Appleは、コー氏が当初Appleの特許は無効である可能性が高いと述べていたものの、Galaxy Tab 10.1との競争によってAppleが損害を被るであろうことには同意していたと指摘した。さらにAppleは、控訴裁判所もGalaxy Tabとの競争によってAppleが損害を被るであろうことに同意したと強調した。
「本裁判所は、5か月前に本裁判所がそのような救済措置がなければ発生する可能性があると判断した継続的な回復不能な損害からAppleを保護するため、直ちに仮差し止め命令を出すべきだ」とAppleは結論付けた。
金曜日の動議は、フロリアン・ミューラー氏のFoss Patentsブログで最初に報じられた。
裁判所が命じた両社の和解交渉が失敗した場合、コー氏は審理なしで差し止め命令を出すというアップルの要求を認める可能性がある。
しかし、コー氏は6月7日に、アップルがサムスンのGalaxy Nexusスマートフォンに対して請求した別の差し止め命令に関する弁論を予定している。ミューラー氏は、その際にTab 10.1の差し止め命令に関する更なる弁論も審理される可能性があると示唆した。
アップルは昨年、Android搭載のスマートフォンとタブレットにおける複数の特許および商標の侵害を理由にサムスンを提訴した。サムスンは反訴した。アップルは今年、最初の訴訟提起後に発売された製品に関してサムスンを相手取り新たな訴訟を起こした。
AppleとSamsungは、複数の国で約50件の訴訟を起こしている。ドイツでは、デュッセルドルフの裁判所が6月5日にAppleの控訴審を予定している。Appleは、Samsung Electronicsに対し、Galaxy Tab 10.1Nの販売差し止めを求めている。このタブレットは、ドイツ国内で10.1インチ版に対する先行差し止め命令を回避するために改良されたものだ。