WriteRoomは、テレビのシェフ、アルトン・ブラウンが言うところの「ユニタスカー」、つまり1つの機能だけに特化したツールです。ブラウンはキッチンでこのようなツールを使うことに難色を示しながらも、どんなに厳しい批評家でもWriteRoomの欠点を見つけるのは難しいでしょう。集中して執筆できるツールといえば、このワンストップツールに勝るものはありません。
プログラムを起動すると、ウィンドウとデスクトップが消え、真っ黒な画面に点滅する緑色のカーソルが一つだけ表示されます。プログラマーのJesse Grosjean氏は、WriteRoomを他のプログラムの誘惑や邪魔を遮断するように設計されています。例えば、常に変化するデスクトップ画像、Dockに表示されるメールのメッセージ数、iChatの揺れ動くアイコンなどです。WriteRoomのミニマルなインターフェースは、余白やフォントなどの設定をいじりたいというしつこい衝動からも解放し、書くことだけに集中できます。
入力を始めると、画面が鮮やかな緑色のテキストで埋め尽くされていきます。(Apple IIc や IIe でワードプロセッサを使っていた頃のことを覚えている方なら、懐かしさに浸るかもしれません。)テキストが積み重なると、WriteRoom はタイプライターのようなスクロール機能を使ってテキストを上方に押し上げ、入力中の行を画面の中央にきちんと配置します。視線を一点から大きく動かす必要はありません。マウスホイール、矢印キー、または画面右側のスライダーバーを使って、必要に応じてテキストを前後に移動できます。マウスを画面下部に移動すると、文書情報(単語数や文字数、タイトルなど)が一時的にポップアップ表示されます。
カーソルやテキストから背景色やスクロールの種類まで、プログラムのほぼすべての側面は、WriteRoomの充実したユーザーフレンドリーな環境設定ウィンドウで完全にカスタマイズできます。(通常は隠れているマウスポインタを画面上部に移動すると、Mac標準のメニューバーが表示され、そこから環境設定にアクセスしたり、その他の設定を調整したりできます。)WriteRoomでは、フォントの変更、テキストの拡大、幅の拡大縮小など、様々な設定が可能です。愛用のデスクトップから完全に離れられない場合は、背景の不透明度を調整してウィンドウを覗かせることもできます。

WriteRoom は、洗練されたシンプルなプログラムにふさわしく、高速で応答性に優れています。テスト中にクラッシュすることは一度もなく、プログラム自体にもバグは発生しませんでした。ヘルプファイルは内蔵されていませんが、便利なオンラインヘルプページへのリンクが用意されています。そこで解決できない質問は、プログラムのオンラインディスカッションフォーラムにアクセスすれば解決できるでしょう。フォーラムでユーザーが指摘したバグは、Grosjean 氏自身から迅速に回答と修正が提供されるようです。
私が遭遇した唯一の重大な不具合は、WriteRoomを他のアプリケーションと統合しようとした時に発生しました。他のプログラムからWriteRoomを呼び出すためのプラグインをインストールすれば、例えばMailでメッセージを書いたり、SafariでWebフォームに入力したりできるようになります。このプラグインはTigerでは動作するようですが、Leopardでは実際には動作しません。Grosjean氏は現在修正プログラムをテスト中で、Hog Bay SoftwareのWebサイトから「QuickCursor」という別アプリケーションの形で無料のテスト版が提供されています。
WriteRoom に関して私が唯一懸念しているのは、その価格です。25ドルという価格は、主要な Mac ライティングソフトの中で最も安価です。しかし、機能面では最も制限が多いのも事実です。Literature and Latte の Scrivener ( )、Mariner Software の StoryMill ( )、Bartas Technologies の CopyWrite ( ) など、多くの競合ソフトには、独自の集中力低下防止モードや、WriteRoom にはない便利な整理機能が備わっています。
WriteRoom は汎用テキストエディタではありません。文学作家向けに設計されており、BBEdit ( ) のようなテクニカルテキストエディタに見られるような便利なカラーコーディング機能やその他のプログラマ向け機能は一切備えていません。Grosjean 氏の功績として、彼はこのプログラムの用途が限られていることを率直に認めており、他に何かを必要とする人のために代替ソフトも提案しています。
Macworldの購入アドバイス
フル機能のライティングソリューションをお探しなら、WriteRoomは最適ではありません。しかし、できるだけ邪魔されることなくライティングに集中したいなら、WriteRoomはまさに最適です。時には、特にこのツールのように精巧に作られた、単機能のツールこそが、まさに最適なツールとなることもあります。
ネイサン・アルダーマンは、バージニア州アレクサンドリア在住のフリーランスのライター兼編集者です。