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カメラの基本:マクロモード

カメラモードに関するこのシリーズでは、理想的なショットを撮影するために難しい手動調整が必要な、よくある撮影シナリオを6つ取り上げ、それぞれのシナリオで写真を撮影しました。1つはオート設定、1つは適切なシーンモード、そしてもう1つは手動で設定を調整した写真です。マクロモードの威力をご覧ください。

マクロモードでは、カメラは最短撮影距離を利用して、レンズに近い小さな物体や細部にピントを合わせます。テスト写真は、近距離撮影時にカメラの設定をより細かく調整する必要がある理由を明確に示しています。マクロ撮影はすべて三脚を使用して行いました。

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自動モードでは、カメラは最前面にある時計の文字盤ではなく、文字盤の裏側にある留め具とバンドにピントを合わせてしまいます。その結果、画像の前面のディテールの多くはピントが合っていません。また、自動モードではISO感度が640に引き上げられ、絞りはf/4.9、シャッタースピードは1/250秒に設定されています。このモードでは、より速いシャッタースピードを使うためにISO感度が引き上げられますが、これは三脚を使用していない場合や、動いている被写体を撮影しようとしていた場合には便利だったでしょう。しかし、シャッタースピードが速くISO感度が高いということは、トリミングやサイズ調整をしようとすると、写真のディテールが失われてしまうことも意味します。

カメラのマクロモードのおかげで、写真の出来栄えが劇的に良くなりました。S90はピントをきちんと合わせ、絞り値はそのままに、ISO感度を320に下げ、シャッタースピードを1/125秒に落としました。オートモードで撮影した写真よりもはるかに良い仕上がりでした。

次に、マニュアル設定でマクロモードの結果を上回ろうと試みました。フルマニュアル撮影では、フォーカスコントロールを使ってブラッシュドメタルのフェイスプレートをよりシャープに捉えました。絞りをf/8.0に絞り、ISO感度を80と大幅に下げて撮影することで、シャッタースピードを1/13秒まで遅くすることができました。

低いISO感度、絞り込み、そして低速シャッタースピードの組み合わせにより、よりディテールに富み、均一な露出の写真を撮影できました。画像のサイズを変更した場合でも、ノイズは目立ちません。ただし、ここで使用した手動設定は、静物マクロ撮影にのみ適していることに注意してください。シャッタースピードが比較的遅いため、動いている被写体はぼやけて見えてしまいます。動いている被写体を撮影する場合は、手動設定よりもマクロモードの設定の方が効果的だったでしょう。