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ATIがMobility Radeonを発表
モビリティラデオン

グラフィックチップおよびカードメーカーのATI Technologies Inc.は本日、Mobility Radeonを発表しました。Mobility Radeonは、ATIの主力製品であるRadeonグラフィックプロセッサの待望のポータブル版です。

ATIはMobility Radeonを「世界最高のパフォーマンスと豊富な機能を備えたモバイルグラフィックプロセッサ」と謳っています。ATIは昨年、Radeonを開発者や一般向けに初めて紹介しました。

Mac対応のRadeonグラフィックカードは、当初はApple Storeで販売され、その後は市販製品として販売されるようになり、数ヶ月前から流通していました。しかしながら、これまでRadeonはデスクトップコンピュータ向けの構成でのみ提供されていました。ATIは、AGPおよびPCI搭載のPower Mac向けに、市販版のRadeonカードを製造しています。また、Appleも各種Power Macモデルに標準装備またはオプションとしてRadeonカードを提供しています。

Mobility Radeon は、ATI が実効メモリ帯域幅を高めると主張する Hyper-Z 圧縮、高度な視覚効果をサポートする 32 ビット レンダリング エンジンの Pixel Tapestry Architecture、マルチ モニタをサポートするデュアル デジタル アナログ コンバータ (DAC)、アダプティブ デインターレースおよびビデオ画質を向上させるその他の機能を使用して DVD およびビデオの再生を可能にする Video Immersion などの機能をサポートしています。

ATIは、新しいチップセットがメモリサポートの異なる4つの異なるモデルで提供されることを発表しています。このチップは、最大200MHzの速度で、シングルデータレートとダブルデータレートの両方のSDRAMとSGRAMをサポートします。構成は以下のとおりです。

  • 柔軟なメモリ サポートと AGP 4x コントローラを備えた最上位構成の Mobility Radeon-S 。
  • Mobility Radeon-Pは、8MB から 64MB のメモリをサポートし、ATI が「メインストリーム デザイン」と呼ぶもの向けに開発されました。
  • 「薄型軽量設計」向けに開発された、16MB の統合 DDR メモリを搭載した Mobility Radeon-D 。
  • Mobility Radeon-Mは、8MB の統合 DDR メモリを搭載し、超ポータブル システムや小型フォーム ファクタのシステム向けに設計されています。
  • 市場調査会社マーキュリー・リサーチによると、ATIは2000年第4四半期のモバイルグラフィックス市場において57%のシェアを獲得しました。これは、グラフィックスチップメーカーの中で最大の市場シェアです。しかしながら、ATIは他のチップメーカーとの競争激化を感じています。例えば、昨年秋にMac互換のGeForce2 MXチップをベースとしたGeForce2 Goプロセッサを発表したNvidia社もその1社です。GeForce2 MXチップは、現在Power Mac G4の一部機種向けに提供されているApple製グラフィックスカードに搭載されています。

    ATIのモバイルチップ技術は、PowerBookおよびiBookシリーズ全体に広く採用されています。実際、すべてのPowerBook G3およびiBookには、ATIのラップトップ向けグラフィックスハードウェアの何らかのバージョンが搭載されています。Appleが最近リリースしたPowerBook G4にも、ATIのRAGE Mobility 128グラフィックスアーキテクチャに基づくグラフィックスサブシステムが搭載されています。

    最近のプレスリリースによると、Mobility Radeonは、構成に応じて8MBのメモリを搭載し、「一般的な2D、3D、DVDモード」では0.5ワットという低消費電力を実現しています。また、このチップは、2048×1536ピクセルのQuad Extended Graphics Array(QXGA)ディスプレイ規格もサポートしています。

    ATI は、Mobility Radeon が将来の製品に組み込むかどうかについて「世界の大手ノート PC メーカー」によって評価されていると述べています。

    Mobility Radeon またはその他の ATI 製品の詳細については、ATI の Web サイトをご覧ください。