過去2週間、macOS SierraのServerアプリを使ってカレンダーサービスの設定作業を行ってきました。カレンダーサービスはCalDAVというWeb標準規格を採用しており、カレンダーサービスに接続して、様々なカレンダーアプリを使ってイベントを追加・更新することができます。実際、カレンダーサービスの設定作業を行っていた当時、FantasticalやBusyCalもCalDAV標準規格をサポートしているため、サーバーのカレンダーサービスをこれらのアプリに簡単に追加することができました。
サーバーの連絡先サービスは、CardDAVと呼ばれる同様の標準規格を採用しています。CardDAVはCalDAVと同様に、様々な連絡先アプリからサーバーに保存されているデータに接続し、更新することができます。実際、CalDAVとCardDAVはサーバー上で相互にリンクされています。このリンクは、サーバーアプリのログツールで確認できます。
- サーバー アプリを開きます。
- サーバー アプリのサイドバーで [ログ] を選択します。
- カレンダーと連絡先のログを見つけて選択します。

ログ内で 2 つがリンクされていることに注意してください。

サーバーの連絡先サービスを使用すると、サーバーを使用するすべてのユーザーが編集および更新できる連絡先の集中データベースを提供できます。また、連絡先データは、CardDAV 対応の任意のアプリで使用できます。
Macでサービスを設定する前に、連絡先アプリで何が利用できるか確認しましょう。連絡先サービスの設定と接続の前に、まずは連絡先アプリを開いてください。
連絡先を開くと、連絡先リストの左側にグループサイドバーが表示されます。サイドバーが表示されない場合は、以下の手順に従ってください。
- 表示メニューを開きます。
- [グループの表示]を選択します。
iCloud をご利用の場合は、iCloud グループが表示されます。これは、iCloud に接続されたすべてのデバイス間で同期されます。

iCloud をご利用でない場合は、「すべての連絡先」グループと、作成した他のグループが表示されます。このグループはローカルハードドライブ上でのみ同期されます。

それでは、連絡先サービスに接続してみましょう。
連絡先サービスをオンにするのは簡単で、サービスのスイッチをオンにするだけです。
- Server アプリのサイドバーで連絡先サービスを選択します。
- 連絡先サービスをオンにします。
本当に…それだけです。
連絡先サービスをオンにすると、連絡先アプリを簡単に設定できるようになります。
Mac にサーバー アカウントが設定されていない場合:
- システム環境設定を開きます。
- インターネット アカウントの設定を選択します。
- 事前設定されたアカウントのリストの一番下までスクロールします。
- 「サーバーアカウント」を選択します。

- Open Directory の設定時に作成したユーザーの 1 人として認証します。(Open Directory を設定していない場合は、プロファイル マネージャの入門ガイドに戻ってください。)

- サーバー上で利用可能なサービスのリストから「連絡先」を選択します。

すでにMacにアカウントを設定している場合
サーバーアプリで新しいサービスを有効にすると、そのサービスはサーバーに既に接続されているすべてのデバイスですぐに利用できるようになります。ただし、そのサービスにアクセスしたいすべてのデバイスでサービスを有効にする必要があります。
- システム環境設定を開きます。
- 前のエピソードで作成したアカウントを選択します。
- 「連絡先」の横にあるボックスにチェックを入れます。

- システム環境設定を閉じます。
連絡先アプリのサイドバーに戻って確認してください。リストに新しい項目が追加され、サーバー上の共有ディレクトリに保存されている連絡先も表示されます。連絡先アプリでそのディレクトリを選択すると、連絡先が何も表示されないことに注意してください。サーバーのディレクトリに連絡先を作成するには、以下の手順を実行してください。
- 連絡先アプリのサイドバーでサーバーのディレクトリを選択します。

- 連絡先ウィンドウの下部にある + ボタンをクリックします。
- [新しい連絡先]を選択します。

- 名、姓、メールアドレスを入力し、「完了」をクリックします。注: テスト目的のため、連絡先リストに存在しないことが分かっているメールアドレスを入力してください。偽のメールアドレスを追加する場合でも構いません。
連絡先サービスをテストするには:
- メール アプリを開きます。
- 新しい電子メール メッセージを作成します。
- 前の手順で作成したユーザーの名前を入力し始めます。
テスト ユーザーの名前と、作成した新しいメール アドレスがメール アプリのオートコンプリート リストに表示されます。
さらに、このサーバーアカウントに認証されている他のデバイスも、サーバー上で作成・保存された連絡先にアクセスできるようになります。これは、iCloudのようなプライベートな連絡先リストと考えることができます。
ボーナスディレクトリ検索
Serverの連絡先サービスには、チェックボックスをオンにするだけで使えるディレクトリオプションがもう1つあります。「連絡先アプリケーションを使用してディレクトリを検索できるようにする」というボックスにチェックを入れると、ユーザーはOpen Directoryデータベースに保存されている情報を利用できるようになります。つまり、Open Directoryに作成またはインポートしたユーザーで関連する連絡先情報を持つものは、カレンダーサービスに接続しているすべてのユーザーにも利用可能になります。