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マークスカウト

ワークフロー管理は、グラフィックソフトウェアにおいて現在大きな注目を集めています。開発者は、印刷物やWeb制作の様々な側面を自動化しようとしています。MarkzScout 1.0は、グラフィックファイルの検査、並べ替え、処理のためのカスタマイズ可能なツールを提供することで、ワークフロー自動化に独自のアプローチを採用しています。大量のファイルを扱い、プログラムの複雑な操作を習得する時間があれば、MarkzScoutは生産性向上への鍵となるでしょう。

MarkzScoutは、チェックポイントとアクションポイントと呼ばれる小さなプログラムで構成されており、PostScript、PDF、HTMLファイルに加え、一般的なグラフィックプログラムで作成されたネイティブファイルも処理できます。チェックポイントは、埋め込まれたJPEG画像などの特定の属性についてファイルを検査し、その属性の有無に応じて「はい」または「いいえ」を返します。アクションポイントは、スポットカラーのリストを生成するなど、ファイルに対してアクションを実行します。また、アクションポイントを使用して、アプリケーションの起動、Photoshopアクションの実行、Markzwareの別ソフトウェアFlightCheckによるプリフライト操作の実行も可能です。

グラフィックス パイプライン MarkzScout を使用すると、チェックポイントとアクションポイントをカスタマイズされたレイアウトでリンクして、ファイルを並べ替えたり検査したりできます。

MarkzScoutレイアウト内でチェックポイントとアクションポイントをリンクすることで、ファイルを簡単に並べ替え、コンテンツに関する有用な情報を生成できます。レイアウトの作成は簡単です。チェックポイントとアクションポイントを追加し、コネクタをドラッグしてリンクするだけです。基本的なチェックポイントとアクションポイントの作成も簡単ですが、複雑なポイントを作成するには、MarkzScoutに組み込まれているスクリプト言語を習得する必要があります。例えば、QuarkXPressドキュメントをカラー印刷用とグレースケール印刷用のどちらに設定するかを決定するには、MarkzScoutスクリプトを作成する必要があります。

MarkzScoutのスクリプトには、変数、配列、条件分岐といったプログラミング言語のあらゆる表現を組み込むことができます。コマンドを使うことで、書体、色、印刷設定といった情報を含め、ドキュメントの内容にほぼ完全にアクセスできます。ただし、Photoshopアクションのサポートを除けば、MarkzScoutはファイルの変更に関する組み込み機能は非常に限られています。

MarkzScoutのリファレンスガイドにはすべてのスクリプトコマンドがリストアップされているものの、説明が乏しく、スクリプト内でのコマンドの使用例が全く示されていない。また、AppleScriptのサポートも欠如している。AppleScriptをサポートしていれば、Photoshopアクションに加えてQuarkXPressの操作も自動化できるため、MarkzScoutの価値はさらに高まるはずだ。

2000年1月 号 58ページ