
iPadの発売が刻一刻と近づく中、開発者たちはアプリの完成に奔走し、消費者は予約注文の発表を待ちわび、紙媒体の出版社も準備を進めている。AppleはiBookstoreで書籍を取り扱うと発表しているが、定期刊行物は独自の対応を迫られることになりそうだ。
月曜日に流出したメモによると、出版社コンデ・ナストがiPadアプリで雑誌を段階的に展開する計画が明らかになった。同社は既に男性誌『GQ』のiPhoneアプリと開発チームを抱えており、雑誌の記事や写真に加え、アプリ限定の追加コンテンツという同じ基本フォーマットがiPadにも引き継がれる可能性が高い。
コンデナストの計画されているリリースマトリックスでは、GQのiPadアプリが4月中に、Vanity FairとWiredが6月に、GlamourとThe New Yorkerが夏の終わりから秋にかけてリリースされる予定だ。(Wiredはすでに、AdobeのFlashを使用して構築されたプロトタイプの可能性を披露している。)価格は当初、広告主と電子購読者数に応じて変動する。これらの初期提供の成功によって、同社がカタログ内の他の雑誌でも同様の展開をするかどうかが決まるだろう。
一方、AP通信は、デジタル製品のマーケティングと制作を目的とした新事業部門「APゲートウェイ」の設立を発表しました。AP通信は現在iPhoneアプリを提供しており、この新部門ではスマートフォンやその他のデバイス向けのアプリの拡充に加え、冬季オリンピックなどの特定のイベントに合わせた新コンテンツの制作・管理に取り組んでいます。iPadアプリも既に開発中で、価格はまだ未定ですが、AP通信のシニアバイスプレジデント兼最高売上責任者であるジェーン・シーグレイブ氏は、このプログラムは無料サービスとして開始される可能性があると述べています。
これはAP通信にとって、収益創出の面で新たな一歩となる。これまでAP通信は、新聞社や放送局などから支払われる記事掲載料にほぼ全面的に依存してきた。2009年度の財務諸表では、この分野での収益が6%減少すると見込まれており、AP通信は収益増加のための独創的な新手法を模索している。そして今回初めて、小規模新聞社がコンテンツ配信を行うのではなく、小規模新聞社がコンテンツ配信を支援するという試みに至った。
これは間違いなく、iPad 関連の出版の第一波に過ぎないが、AP と Condé Nast は順調なスタートを切っている。