Lion(Mac OS X 10.7)の「ゴールデンマスター」が開発者向けにリリースされました。つまり、この新OSが一般消費者の手に渡るのもそう遠くないということです。その日が来たら、Lionの250を超える新機能の中に、かなりの懸念(というか、今回の場合は指をもみほぐす)を呼んでいるものがあります。それは、新しいスクロール方法です。具体的には、Lionのデフォルトのスクロール方向が逆になっているのです。少なくとも、私たちコンピュータユーザーがこれまで考えてきたスクロール方法とは逆になっています。
Appleによると、「Lionでスクロールまたはスワイプすると、コンテンツは指の動きと同じ方向に移動するようになりました」とのことです。つまり、MacBookのトラックパッドまたはAppleのMagic Trackpad( )で2本指を下方向にドラッグするか、マウスのスクロールホイールを手前に回すと、現在のドキュメントまたはウィンドウのコンテンツも下方向にスクロールします。これは、15年以上前にマウスのスクロールホイールが登場して以来の動作とは全く逆の動作です。
この変更が良い変更かどうかは議論の余地があり、私も近いうちにこの点について意見を述べるつもりですが、Lionではこれがデフォルトの動作です。Appleはシステム環境設定でスクロールを従来の動作に戻す簡単な設定を提供していますが、AppleがLionのアプローチを未来の姿と見なしていることは間違いありません。ですから、Lionを受け入れるべきだという議論も成り立ちます。(いずれタッチスクリーン搭載のMacが登場すれば、この変更はより理にかなっていると言えるでしょう。)

でも、「逆スクロール」に慣れるのにLionのデビューを待つ必要はありません。新しいユーティリティを使えば、MacをLion対応にすると同時に、Lionでのスクロールにも対応できます。Scroll Reverserはシンプルなユーティリティで、実行するとメニューバーに新しいメニューが表示され、スクロールの動作を選択できます。「逆スクロール」を選択すると、Snow LeopardはLionのように動作します。少なくともスクロール方向に関してはそうです。このユーティリティは水平スクロールも逆方向にできます。トラックパッド上で2本指を左にドラッグすると、画面上のコンテンツも左に移動します。
私と同じような方なら、トラックパッドを使う場合はこの新しい動作にすぐに慣れるでしょう。しかし、マウスのスクロールホイール(または大型トラックボールのスクロールリング)を使う場合は、逆スクロールはしばらくは「後ろ向き」に感じるでしょう。ですから、Lionのリリースを待つ間、早めに慣れておくのが良いでしょう。