
ワシントンで医療保険法案のメリットが議論される中、アップルのCEO、スティーブ・ジョブズ氏はパロアルトの病院に珍しく公の場に姿を現し、自身の理念である臓器提供を訴えた。昨年、ジョブズ氏は健康上の理由で休職した後、テネシー州で肝臓移植手術を受けた。金曜日、ルシール・パッカード小児病院で行われた記者会見で、ジョブズ氏は自身の手術の詳細と、カリフォルニア州の待機リストに載っている他の住民を支援するための措置案について語った。
「今週で一周年を迎えます」とジョブズは笑顔で聴衆に語りかけた。マーキュリー・ニュースはこの会議を取材・録画した(動画は下記に埋め込まれている)。会議では、カリフォルニア州知事アーノルド・シュワルツェネッガーによるドナーリストの拡大に関する新たな法案が取り上げられた。この法案は、州運輸局に対し、運転免許証の申請書に臓器・組織の提供に関する記入欄を追加することを義務付けるものだ。現在、この欄はドナーになるか否かを選択するもので、任意となっている。さらに、この法案は腎臓移植希望者のための「カリフォルニア生体ドナー登録簿」を創設し、健康な腎臓を提供する意思のある人と患者をマッチングさせる。
ジョブズ氏は移植リストに載っていた自身の経験について簡単に語り、「カリフォルニアには肝臓が足りず、ここ(スタンフォード大学)の医師から、肝臓の需給バランスがカリフォルニアよりも良いメンフィスの移植プログラムに参加するよう勧められた」と述べた。ジョブズ氏によると、カリフォルニア州では昨年、3400人以上が臓器移植を必要としていたが、実際に行われたのはわずか671件で、400人が移植を待つ間に亡くなったという。
知事によると、アップルのCEOであるジョブズ氏はこの法案の成立に「尽力」したという。「ジョブズ氏は裕福な人物だったので、移植手術を受けることができたのです」とシュワルツェネッガー知事は述べた。「しかし、ジョブズ氏は裕福な人だけが移植手術を受け、必要な場所へ飛行機で連れて行ってくれるような状況を望んでいません。誰もがすぐに移植手術を受ける権利を持つべきです」
ジョブズ氏がこの活動の重要性について語ったのは今回が初めてではない。昨年9月、手術後初めて公の場に姿を現した際、彼は交通事故で亡くなった20代半ばの男性から惜しみない臓器提供を受けたことを明かし、聴衆に臓器提供者になるよう呼びかけた。
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