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タイムマシンで90年代半ばへ

PC Worldで私の同僚の一人、ダニー・アレンは、顧客の手に渡ることのなかったコンピュータ製品に関する記事を執筆中です。ご想像の通り、Appleにもそういった製品は数多く存在します。そこでダニーと私は、Appleの伝説的な(そしてそれほど伝説的ではない)ベイパーウェア製品について語り合いました。そして私は、そのうちのいくつかについて情報収集を申し出ました。

Apple製品の中で最も話題になり、大々的に宣伝されながらも実現しなかったのは、おそらく最初のMac OS 8であるCoplandでしょう。90年代半ばにMacに注目していなかった方は、今日私たちが記憶しているMac OS 8がそもそも存在するはずがなかったと知って驚くかもしれません。私たちが知っているMac OS 8は、AppleがクラシックMac OSを置き換える最初の試みの一つが失敗に終わった後にようやく形になりました。そのプロジェクトはCoplandというコードネームで呼ばれ、Appleは1年以上かけてMacの未来として宣伝しました。(私のアーカイブのどこかに、Appleの世界開発者会議で配布された「OS 8:ハンズオン体験」Tシャツがあります。結局、その会議の参加者だけがCoplandを実際に体験できたのです。

いずれにせよ、私のオフィスのすぐ外には、10年以上にわたるMacworld誌のデジタルデータが入ったCD-ROMがぎっしり詰まった金属製のファイルキャビネットが隠されています。そこでダニーを助けるために、私はMacworld誌1996年7月号のファイルを掘り出し、結局実現しなかったMac OS 8をクローズアップした記事を載せました。

これは、Copland の要素が最終的な Mac OS 8 に採用されなかったということではありません。新しいグレースケールのインターフェースの外観は、いくつかの機能と同様に、最終的な OS 8 に移行されました。(Copland によって約束された主要な技術的基盤のほとんどは、5 年後、Mac OS X の登場まで Mac には実装されませんでした。)

しかし、古いファイルを調べていたとき、私がすっかり忘れていた Copland の約束された機能の 1 つが目に留まりました。それは、これから登場するタイム マシンの最初のヒントとして響いてくる自動バックアップ システムです。

コープランドガイド

Macintosh ガイドウィンドウでは、「ファイルのバックアップ」など、さまざまなタスクを自動化するアシスタントを選択できます。また、eWorld メールを自動的にチェックするオプションも用意されています。お子様の皆さん、eWorld が何だったかご存じない方は、ご両親に聞いてみてください。

アシスタントを選択する

Computer Custodianの機能の一つに、バックアップの自動化があります。デスクトップの再構築もできます!Mac OS Xでやっていて懐かしくない機能ばかりです。

コンピュータ管理者

Coplandでバックアップに使用するディスクを選択するのは、Time Machineでディスクを選択するのとそれほど変わりません。もちろん、ハードドライブを選択するツールです。そんなに複雑なことでしょうか?

バックアップするもの

このウィンドウで、Coplandでバックアップする対象を選択します。これは、Time Machineのディスク全体のバックアップオプションというよりも、.Macバックアップユーティリティのファイルのサブセットをバックアップするオプションに似ています。

通知を選択してください

最後に、バックアップが完了すると、浮かんでいる付箋のように表示されるポップアップ メッセージで、Copland にバックアップの完了を知らせてもらうこともできます。

ファイルキャビネットから掘り出した数多くの Copland のスクリーンショットの中には、単純なファイル名検索を超えたシステム全体の検索機能である Spotlight のようなものの最初の提案もありました。

プロトスポットライト
プロト Spotlight 検索インターフェースを使用すると、ファイル名とテキストを検索できます。

では、これらの機能はLeopardに搭載されている機能と同じくらい先進的だったでしょうか?もちろん、そうではありませんでした。90年代半ばのことです。しかし、当時すでにApple社内には、ハードドライブのバックアップをより便利なものにしようと努力する勢力があったというのは興味深いことです。しかし、それは実現しませんでした。今では、Coplandのことを思い出すのは、一般の人々の手に渡ることは決してなかった有名製品に関する記事を書いている人だけです。