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面倒な作業を委任する

Tigerの最も興味深い機能の一つであるAutomatorのマスコットは、愛らしいロボットです。Automatorは、かつて私たちが期待していた21世紀のロボットのように、私たち知的な人間が面倒に思うような単調で反復的な作業をすべてこなすように設計されたユーティリティです。

アプリケーションを制御するプログラムを作成できる強力な言語であるAppleScriptとは異なり、Automatorは一般ユーザー向けに設計されています。Automatorを使うのにプログラマーになる必要も、難解なコマンドを入力する方法を学ぶ必要もありません。一連のアクションをウィンドウにドラッグ&ドロップするだけでフローチャートを作成できます。

仕組み

Automatorウィンドウの左側には、アプリケーション別に整理された膨大なアクションのコレクションがあり、その中からアクションを選択します。(Appleがアクションをカテゴリ別に表示できるようにしてくれたら、必要なアクションを含むプログラムを探すために様々なプログラムを検索する手間が省けるので、とても便利です。)必要なアクションが見つかったら、ワークフロー領域にドラッグします。項目をドラッグしていくと、それらは互いにつながります。一連のアクションを積み重ねることで、複数の異なるMacプログラムを組み込んだ複雑なタスクの連続を作成できます。

アクションをワークフローウィンドウに追加したら、様々なオプションを設定して、そのアクションの動作を正確に定義できます。例えば、プレビューアプリケーションの「画像の拡大縮小」アクションでは、画像を拡大縮小するサイズやパーセンテージを指定できます。

タイガーオートメーター

Automatorの機能の一例をご紹介します。AppleがTigerに同梱しているサンプル「ワークフロー」の一つから抜粋したものです。これは、Mail内の未読メッセージを自動的に取得し、接続されたiPodにメモファイルとしてコピーするツールです。iPodにメールを転送するたびに手動で行うこともできますが、わざわざ手間をかける必要はありません。Automatorなら、このプロセスは4つのステップで完了します。Mail内でメールをチェックするアクション、未読メールだけを検索するアクション、見つかったメッセージを結合するアクション、そして新しいiPodメモを作成するアクションです。

あるいは、リリースされたばかりの BBEdit 8.2 の新機能を活用した例を見てみましょう。Automator ワークフローでは、iCal から共有カレンダーの内容を抽出し、BBEdit の一連の置換コマンドと行削除コマンドを使用してテキストを調整し、そのカレンダーの魅力的なテキスト バージョンを生成します。

Automatorワークフローを作成したら、ダブルクリックで実行できる小さなアプリケーションファイルとして保存できます。また、Finder内の特定のファイルやフォルダを操作するタスクの場合は、Finderプラグインとして保存することもできます。こうすることで、Finderで右クリックするとワークフローが表示されるので、すぐに実行できます。

Tiger Automatorプラグイン

Tigerには100を超える組み込みアクションが搭載されており、アプリケーション開発者とサードパーティの両方が精力的にアクションの開発に取り組んでいます。例えば、前述のBare Bones SoftwareのBBEditの新バージョンには、25のアクションが搭載されています。Automatorアクション、Automated Workflows(Photoshop、InDesign、その他のプロフェッショナル向けプログラムで動作するアクションを販売)、Automator Worldなどのサイトからも、近日中に多くのアクションが提供される予定です。Macworld 常連 寄稿者であるBen Long氏も、Complete Digital Photography用のPhotoshopアクションをいくつか作成しています。

最後の言葉

AutomatorはMacの使い方を変えるでしょうか?Apple、他のアプリケーション開発者、そしてサードパーティのアクション開発者が新しいアクションを良いペースでリリースし続ける限り、可能性は高いでしょう。そしてそれは朗報です。なぜなら、Automatorを使えば、キーボードとマウスだけでなく、頭を使う作業にもっと時間を割けるようになるからです。

[ Jason Snell は Macworld の編集ディレクターです。 ]