ドクター・スースの絵本『マルベリー通りで見たあの子のこと』の中で、幼いマルコは学校からの帰り道、簡素な馬車を目にします。父親にその日の出来事を話そうと考えていたマルコは、その一枚の絵を、象、市長、ブラスバンド、そして紙吹雪を撒き散らす飛行機などが登場する壮大な冒険物語へと素早く織り交ぜていきます。まさに装飾の妙!
デジタルスクラップブックページのデザインを始めるときは、まず、あなたにとって特別な響きを持つ画像から始めます。それは、美しい風景、素晴らしい色彩、特別な照明など、素晴らしい写真かもしれません。あるいは、チリ料理コンテストで優勝した時、トライアスロンでパートナーがゴールラインを越える姿を見守った時、美しい夕日を眺めながら友人や家族と過ごした時間など、素晴らしい一日を捉えた写真かもしれません。iPhoto '09を使えば、ハードドライブにあるすべての写真を閲覧し、特別な何かや感情を揺さぶる瞬間を持つ写真を選ぶことができます。素晴らしい写真は、スクラップブックページの核となるものです。
次のステップは、その画像を基にストーリーを構築することです。デジタルスクラップブッキングの世界では、装飾とは、ページに追加できるアイテムのことで、ストーリーをより豊かに伝えるのに役立ちます。例えば、チリコンテストで優勝したリボンをスキャンして、デジタルスクラップブッキングのページに貼り付けることもできます。花びら、エプロンのボタン、ページから目立つ小さなタグや文字ブロックなどを追加することもできます。他にも、フォトコーナー、ネックレス、ブレスレット、指輪、葉っぱや石、調理器具、ベビーピンなど、様々な装飾が考えられます。

従来のスクラップブッキングでは、装飾とはページに貼り付けられる小さなアイテムのことです。デジタルスクラップブッキングでは、装飾とは小さなアイテムをスキャンした画像で、エフェクトを適用することで立体感を出すことができます。デジタルスクラップブッキングソフトウェアを使えば、立体感を加えたり、影をつけたり、光の反射を加えたりすることができ、まるで紙のページに実際に貼り付けたかのような装飾を実現できます。
では、デジタルスクラップブッキングのページに生命を吹き込む装飾品はどこで手に入れるのでしょうか?装飾品はどこからでも手に入れることができますが、その始まりはあなた自身の想像力です。家にあるものをスキャンして、Adobe Photoshop ElementsやPixelmatorなどのシンプルな画像編集ソフトで加工したり、iScrapbook.comやiRemember.comなどのサイトで手頃な価格の装飾品を探したりすることもできます。
写真が伝えるストーリーを構成する様々な物理的な要素について考えてみましょう。ビーチの写真なら、貝殻、砂、ビーチタオルなどがその例でしょう。チリコンカーン大会の写真なら、レシピカード、調理用スプーン、エプロン、炭火焼きなどが装飾として挙げられます。必要な要素の画像はオンラインで探すか、実物をスキャンしてデジタル画像を作成し、お気に入りの画像エディタで編集することもできます。デジタルスクラップブック作成ソフトに装飾を追加すれば、画像の位置、サイズ、加工などを調整して、ページの中で際立つように仕上げることができます。
デジタルスクラップブッキングのページでどんなストーリーを伝えたいとしても、中心となる画像を装飾することで、より豊かにストーリーを伝える方法は常に存在します。周りを見回し、体験をじっくり考え、楽しんでください。きっと、単調な写真を賑やかで楽しいマーチングバンドに変える素晴らしいアイデアが浮かぶはずです。
[キャサリン・マレーはインディアナポリスのテクノロジーライターであり、『Creative Digital Scrapbooking』(Peachpit Press)の著者です。 ]