Final Cut Pro に関してよくある不満の一つに、プログラムからメモやコメントを取得するのが難しいという点があります。例えば、タイムコード精度の共同作業メモをサウンドミキサーに直接渡す方法がありません。対照的に、Adobe Premiere Pro (今年 Mac に復活) には Clip Notes と呼ばれる堅牢なメモシステムがあり、Avid ユーザーは何年も前からコメントを使ってシーケンスにロケーターを追加できていました。そして今、英国のソフトウェア開発会社 Digital Heaven が、Final Cut Pro との共同作業をはるかに容易にするスタンドアロンアプリケーション Final Print をリリースしました。Final Print のアイデアは特に目新しいものではありません。ユーザーがタイムコード精度のマーカーとコメントをシーケンスに追加し、そのマーカーの内容をビデオのサムネイル画像と共に印刷できるというものです (このプログラムには Final Cut Pro 4.1 以降が必要です)。驚くべきは、これまで誰もこのような方法を思いつかなかったということです。それでも、シーケンスにメモを付けてマークアップし、共同作業者にそのメモを渡して作業を続行できるようにする方法があれば非常に便利です。たとえば、長編映画では、サウンド編集者、音楽作曲家、特殊効果コーディネーター、アニメーター、ディレクター、プロデューサーに次のようなメモを送信する必要があるかもしれません。
Final Printを使用するには、まずシーケンスにメモを挿入する必要があります。これは簡単です。タイムラインでシーケンスを再生し、メモを挿入したい場所を見つけて「M」を2回入力するだけです。これでシーケンスにマーカーが挿入され、「マーカー編集」ウィンドウが表示されます。マーカーに名前を付けてコメントを追加するだけです。下の図の例では、サウンドエディター用のコメントを追加しています。マーカーは、シーケンスのタイムライン、ビデオクリップ、またはオーディオトラックに追加できます。

マーカーを作成したら、シーケンスのXMLをエクスポートする必要があります。このXMLは、マーカー情報を最終印刷に渡すファイルです。
このXMLをプログラムにインポートすると、Final Printはビデオメディアに接続し、マーカーのタイムコード値に対応するサムネイル画像を作成します。サムネイルが作成されると、Final Printはマーカーとコメント情報をカタログ形式でわかりやすく表示します。

この時点で、データベースを印刷したり、同僚に配布するための PDF ファイルを作成したりするのは簡単です。
普段使いの編集者は、Final Printの99ドルという価格に戸惑うかもしれません。もちろん、衝動買いするほどのものではありません。しかし、このような共同作業を毎日行う必要がある編集者にとっては、価格に見合うだけの価値があります。