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エキスポノート:企業のITツールが家庭に侵入

ITのコンシューマライゼーション、つまりiPhoneやiPadといった個人向けデバイスがビジネスコンピューティング環境に浸透しつつあるという話はよく耳にするでしょう。しかし、その流れは逆方向にも進んでいるようです。Macworld/iWorldに出展した数社は、企業レベルのITテクノロジーを家庭に導入しようと試みています。

ネザーロ iOS

NetHeroのiOSアプリ

1つ目はNetHeroです。iOSとOS X向けのアプリで、自宅のネットワーク上のすべてのデバイスを監視できます(IT担当者がオフィスのシステムをリモート監視するのと同じような感覚です)。(実際、NetHeroを開発したPie Digital社は、クラウドベースのIT管理ソフトウェアで最もよく知られています。)

NetHeroをインストールしてルーターに接続すると、ホームネットワークに接続しているすべてのデバイスのリストと、それぞれの接続速度と品質が表示されます。(これを実現するためにどのような技術が使われているのか尋ねると、NetHeroの担当者は「多種多様です」とだけ答えました。)接続速度を上げるための手順も提案してくれます。

ネットワーク上のMac、Windows PC、iOS、AndroidデバイスにNetHeroクライアントをインストールすれば、リモートからデバイスを管理できます。再起動やシャットダウン、アプリの起動など、様々な操作が可能です。まさにコントロールフリークにとっては夢のような(あるいは悪夢のような)ツールです。ご興味があれば、NetHeroはNetHeroのウェブサイトまたはiTunes Storeから無料で入手できます。

ハイエンドITテクノロジーを家庭に導入する2つ目の企業は、Remo Softwareです。同社のMoreアプリは、NetHeroの100万倍の性能を誇ります。Mac、Windows PC、iOS、Android、Windowsモバイルデバイスにインストールできるソフトウェアツールです。インストールすれば、様々な興味深い、あるいは奇抜な方法でこれらのデバイスをリモート管理できます。

このアプリは、家族全員のスマートデバイスのハードウェアインベントリ(ストレージ容量、CPU、RAMなどの詳細を含む)を作成できます。各デバイスの内部温度とバッテリーの状態も表示します。ドライブのデフラグとデータ消去、エネルギー管理設定の調整、ファイルとフォルダの管理とパスワード保護、重複ファイルの削除など、他にも様々な機能があります。お子様が使用するアプリとその使用時間を設定できるペアレンタルコントロールツールも搭載。その機能の豊富さは圧巻です。

すべての機能がすぐに利用できるわけではありません。アプリ名は「Manage(管理)」「Optimize(最適化)」「Recover(回復)」「Enhance(強化)」の頭文字をとっています。リリース時には「Optimize(最適化)」コンポーネント(プライバシークリーナー、Windows用レジストリクリーナー、空き容量の消去、メモリオプティマイザー、重複ファイルの削除)のみが利用可能です。アプリの残りのツール(M、R、E)は5月末に提供開始予定です。現在は無料ですが、将来的には管理対象デバイスの台数に応じて課金を開始する予定です。