
画像: Apple
Apple Vision Proが世界に発表されてからわずか1週間ですが、この複合現実ヘッドセットは既にアイデンティティ危機に陥っています。MyDriversの報道によると、「Vision Pro」という名称は、電子機器メーカーのHuaweiによって中国で商標登録されているとのことです。
この商標には、Huaweiが2021年11月28日から2031年11月27日までの独占権を有すると記載されています。HuaweiにはVisionシリーズのテレビがあり、Vision Pro商標はおそらくこのためのものですが、同社は音楽を聴いたり電話をかけたりするためのスピーカーとマイクを内蔵したアイウェアのシリーズも展開しています。
WWDC23の基調講演前、Appleのヘッドセットは「Reality Pro」、VisionOSと呼ばれるオペレーティングシステムは「xrOS」という名称になるとの憶測が飛び交っていました。Appleが土壇場で名称を変更したのか、それとも噂されていた名称はメディアに情報をリークする人物を見抜くためのものだったのかは不明です。また、Vision Proという名称にはAppleのロゴが付いているため、中国の商標法で許可されるかどうかも不明です。
Appleは商標問題に悩まされることが多い。最も悪名高いのはiPhoneに関するもので、2007年の発表当時、Ciscoが商標を所有していた。両社は最終的にiPhoneブランドの使用を認める契約を締結した。契約の詳細は公表されていないが、Ciscoは最終的にIP電話機におけるiPhoneブランドの使用を中止した。Appleは長年にわたり、Apple Recordsとも商標紛争を何度か起こしている。
両社が合意に至らず、裁判所がHuaweiに有利な判決を下した場合、AppleはVision Proを中国で販売できなくなります。AppleはVision Proを別の名前で発売する可能性はありますが、その可能性は非常に低いでしょう。また、中国ではヘッドセットの名称を別の名前にする可能性もあります(「Reality Pro」が中国で他社の商標登録されているかどうかは不明です)。しかし、Appleはブランドイメージの一貫性を重視しているため、最終的に合意に至る前にAppleとHuaweiが法廷闘争に及ぶ可能性の方が高いでしょう。
著者: ロマン・ロヨラ、Macworld シニアエディター
ロマンはMacworldのシニアエディターで、30年以上にわたりテクノロジー業界を取材し、MacをはじめとするAppleエコシステム製品を中心に活躍しています。Macworld Podcastのホストも務めています。彼のキャリアはMacUserで始まり、Apple認定修理技術者(当時はAppleがそのような制度を設けていた)として認定されました。MacAddict、MacLife、TechTVでも活躍しています。