人間と動物を区別するのは、火を操る能力、そしておそらくマリネする能力です。同様に、写真をレイヤーで編集する能力こそが、デジタル写真と旧式のフィルム写真を区別するものです。
先週はレイヤーの使い方の基本について説明しました。2枚の異なる写真を重ね合わせ、最後に簡単な特殊効果を加える方法について説明しました。今週は、調整レイヤーの使い方について、少し実践的な観点から概説したいと思います。具体的には、レイヤー上で露出やトーンなど、写真の特定の要素を調整することで編集します。いつものようにAdobe Photoshop Elementsでの操作方法を説明しますが、レイヤー機能を備えた写真編集プログラムであればどれでも使えます。
調整レイヤーの紹介

Photoshop Elementsで編集したい写真を開きます。メニューから「レイヤー」→「新規調整レイヤー」を選択し、オプションをメモします。
写真の露出を調整したい場合は、「レベル補正」(ヒストグラム調整が可能)か「明るさ・コントラスト」を使うと良いでしょう。しかし、他にも選択肢はあります。色の彩度を変えたい、あるいは写真をほぼ単色にしたいという場合は、「色相・彩度」を試してみてください。他にも様々な特殊効果を試すことができます。

この例では、「新規レイヤー」ダイアログボックスで「レベル補正」を選択し、「OK」をクリックします。レベル補正コントロールが表示されるので、これを操作して写真の露出を調整できます。
ホワイトポイント、ブラックポイント、ガンマを好みに合わせて調整します。詳しくは、「ヒストグラムで写真にパンチを効かせる」と「いつでも完璧な写真を撮る」をご覧ください。結果に満足したら、「OK」をクリックします。
調整レイヤーの魔法
これが単層の写真であれば、これで完了です。レベル調整で行った操作はすべて元の画像に焼き付けられます。しかし、これがレイヤーの魔法です。まだ元の写真には影響を与えていません。このテクニックを使うと、調整段階で少しやり過ぎてしまうかもしれませんが、最終的な仕上がりを微調整することができます。不透明度コントロールを使って、元の写真と調整レイヤーをブレンドできます。レベルパレットの「不透明度」をクリックし、100%から徐々に下げていきます。2つのレベルの組み合わせが気に入ったら、そこで調整を止めます。
もう1つ便利な裏技があります。 「ファイル」→「名前を付けて保存」を選択すると、このプロジェクトをPhotoshopの*.psdファイルとして保存できます。PSDファイルはレイヤーの詳細をすべて保持するため、ファイルを再度開いて調整レイヤーの編集を微調整したり、破棄したりすることができます。元の写真はそのまま残ります。これは、元の写真を元の状態に保つための優れたテクニックです。私たちは常に学習を続け、こうした作業に習熟しているので、PSDファイルを使用することで、ずっと前に編集しようとした写真に戻って、新たな知識と経験を活かしてさらに改善することができます。
手動調整レイヤー
お使いの写真編集ソフトに基本的なレイヤー機能はあっても、「調整レイヤー」がない場合はどうすればよいでしょうか?あるいは、必要な調整オプションがない場合はどうすればよいでしょうか?問題ありません。手動で簡単に調整できます。例えば、写真をシャープにしたいとします。Photoshop Elementsには、シャープにするための「調整レイヤー」メニューオプションはありません。
一つの方法をご紹介します。写真を開き、「レイヤー」>「レイヤーの複製」を選択します。レイヤーパレットで一番上のレイヤーを選択した状態で、「強調」>「アンシャープマスク」を選択し、好みのシャープネスに設定します。写真を少しシャープにしすぎるのも構いません。不透明度スライダーを使って、ちょうど良い具合になるまで調整できます。このようにレイヤーで調整を行ったら、消しゴムツール(画面左側のツールバーの上から16番目)を使って、画像から効果を選択的に削除できます。例えば、人物の顔のシャープネスだけを消し、服や背景はシャープにしたままにしたい場合などです。
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