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MacにiCloudバックアップが必要な理由

Appleのサービス部門はここ数年好調に成長しており、これらのサービスをハードウェアとソフトウェアと組み合わせることで、ユーザーに比類のない機能を提供できることを同社は誇っています。しかし、主要サービスであるiCloudに関しては、Appleのすべてのデバイスが同等に作られているわけではありません。

iCloud 統合に関して Mac ユーザーは二級市民であると言うのは少し言い過ぎかもしれないので、その代わりに、ラップトップやデスクトップをまだ好むユーザー向けに iCloud のオプションを拡張することで、Mac ユーザー (このプラットフォームを初めて使用するユーザーと何十年も使用してきたユーザーの両方) の間で Apple がいくらか好意を獲得できるだろうとだけ言っておきましょう。

特に、今週、CrashPlan が消費者向けオンライン バックアップ プランの提供を中止すると発表したことで、データを安全かつ確実にバックアップしておくためにどのような手順を踏めばよいのか疑問に思うユーザーが少なくありません。

もちろん、CrashPlanの中小企業向けバックアッププランに乗り換えたくないMacユーザーには、BackblazeやArqなど、他にも選択肢はたくさんあります。しかし、今回の件で、MacユーザーはiOSユーザーに提供されているiCloudバックアップという重要な機能を少なくとも一つ失っているという事実が浮き彫りになりました。

簡単なバックアップ、ただしiOSのみ

iCloudバックアップはiOSユーザー、特にデバイスを頻繁に切り替えるユーザーにとって大きなメリットとなっています(おそらくほとんどのユーザーがそうでしょう)。iCloudバックアップのおかげで、iPhoneの復元は驚くほど簡単で、驚くほど高速です。

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Mac側では、もちろんAppleはMac OS X 10.5からTime Machineを提供しており、これまでも多少の不具合はあったものの、全体的には安定したバックアップオプションへと進化を遂げてきました。ドライブ全体をバックアップするのに高価なサードパーティ製ソリューションが必要だった時代、ましてやバージョン管理などの高度な機能など考えられなかった時代を思い出すような世代の人間にとって、Time Machineはまさに驚異的な存在です。ユーザーの介入を最小限に抑えたシンプルなバックアップ。現状からどれだけ進歩したかは、言葉では言い表せません。Time Machineは素晴らしいテクノロジーであり、バックアップはテクノロジーの分野では刺激的な話題とは言えませんが、誰もが使うべき機能の一つです。 

しかし、Time Machineはオンサイトバックアップにしか機能しません。壊滅的な緊急事態(家が浸水したり火事になったりするなど)に備えたいのであれば、オフサイトバックアップは健全なバックアップ戦略の重要な要素です。Appleはクラウドストレージを提供していますが、Mac全体をバックアップするには一般的に十分ではありません。Appleのドライブ容量はiOSデバイスよりも大きいだけでなく、macOSのような古くてオープンなオペレーティングシステムでは、iOSのような厳密に管理されたシステムよりも、考慮すべきデータが多くなります。 

オンラインオプション

AppleはmacOS Serverを使って、複数のMacをネットワーク上の別のMacにバックアップする機能を提供しています。私は最近、Mac miniにTime Machine Serverオプションを設定し、iMacとMacBook Airの両方をMac miniの大容量外付けドライブにバックアップしました。しかし、繰り返しになりますが、これはそのドライブやそれに接続されているMac miniに何も起こらない限り、安全策としてしか機能しません。Appleは移行アシスタントも提供しています。これはiCloudバックアップの復元機能に近いものですが、Time Machineバックアップドライブか以前のMacのいずれかが必要で、これもまた、壊滅的な事態が発生した場合にはほとんど役に立たないかもしれません。

つまり、本当に必要なのは、オンライン対応のTime Machineか、iCloudバックアップのようなソリューションのどちらかです。こうしたオプションがあれば、Macユーザーの安心感は大きく向上し、最悪の事態が起こったとしても大切なデータが安全に保たれるという安心感が得られます。オンラインストレージはますます安価になってきており、Appleもデータセンターの建設を遅らせる気配はありません。それでも、他のオンラインバックアップ企業のように、十分なストレージ容量を提供するためにAppleが多少の追加料金を請求するとしても、誰も非難しないでしょう。(とはいえ、Appleはデフォルトで無料で提供されている5GBのストレージ容量を、今日のデータ需要に見合った容量に増やすべきだ、そしてできればiOSデバイスを購入すれば無料でバックアップできるようにすべきだ、という私の意見は変わりません。) 

クラウドストレージが普及し、デジタルテクノロジーへの依存度がますます高まっている今、AppleはMac上のファイルのバックアップに関して中途半端な解決策で満足すべきではありません。iOSで試みているように、Appleはこの問題を徹底的に検討し、万全のセキュリティ対策を提供すべきです。結局のところ、Mac上のデータはiPhoneやiPad上のデータと同じくらい価値があるのです。