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iPadアートでレイヤーを使う方法
レイヤーとは何ですか?

デスクトップやモバイルのデジタル画像処理アプリケーションを少しでも使ったことがあるなら、レイヤーの概念とその重要性はよくご存知でしょう。レイヤーを使うと、画像を複数のレベルに分割し、整理、合成、そして様々な方法で組み合わせることができます。

アートワークを一から作成する場合、レイヤーの使い方が最適かどうか判断するのは難しい場合があります。特に、iPhoneやiPadアプリの中には、1つの画像につきレイヤーが2つしか使えないという制限がある場合が多いからです。そこで、レイヤー管理を効率化するためのヒントをいくつかご紹介します。

カイル・ランバートは英国を拠点とするデジタルアーティストです。

絵を奥行きで分ける

どのような画像を作成する場合でも、鑑賞者からの距離が近いオブジェクトをグループ化することは可能です。簡単な例としては、絵画を2つのレイヤーに分割し、1つは背景用、もう1つは人物用とします。より複雑な構図では、背景レイヤーに空、2つめのレイヤーに建物、そして3つめのレイヤーに前景の人物を配置することもあります。

どちらの場合も、画像の一部をレイヤーに分散させる目的は、画像全体に影響しない変更を可能にすることです。つまり、この例では、蝶の一部を消しても、空は下の別のレイヤーに描かれているため、そのまま残ります。

本当に必要なレイヤーだけを作成する

レイヤーの利点は明らかですが、だからといって肖像画のまつ毛やそばかす一つ一つに個別のレイヤーが必要なわけではありません。レイヤーを使いすぎると、各レイヤーの内容を覚えるのが難しくなります。特に多くのiPadアプリではレイヤーにラベルを付けることができないため、なおさらです。また、実際にどのレイヤーで作業しているのかを覚えるのが難しくなり、レイヤーを頻繁に切り替える手間もかかります。私のアドバイスは、レイヤーの数はできるだけ少なくすることです。

プロセスについて考えてみましょう

特定の種類のアートワークを作成する際には、レイヤーを活用して制作プロセスを効率化することを検討できます。例えば、コミックブックのアートワークでは、鉛筆スケッチ用のレイヤー、アウトライン用のレイヤー、そしてアートワークに色を塗るためのレイヤーというように、レイヤーを分けて使用することができます。

ArtRage などのアプリでペイントする場合、ペイントが混ざり合う可能性がありますが、レイヤーを使用すると、作業の特定の領域が他の領域と混ざるのを防ぐことができます。

レイヤーの変形と複製

ほとんどのアプリでは、レイヤーの移動、回転、サイズ変更が可能なので、画像内の要素の構図を自由に調整できます。例えば、青空を作成する場合は、別のレイヤーに雲を作成することができます。これにより、雲の位置を変更したり、サイズ変更や回転を行ったり、複数の雲を複製して空に配置することができます。

空白のレイヤーで実験する

作品の完成に近づくと、仕上げに不安を感じたり、やり過ぎてしまうのではないかと心配になったりすることがよくあります。そんな時は、空白のレイヤーで最終的な修正を行うことをお勧めします。そうすれば、万が一ミスを犯しても、レイヤーを削除するか、うまくいかない部分を消すだけで済みます。

レイヤーを結合する

画像のパーツを個別に描く必要がなくなった場合、レイヤーを結合すると複雑化を防ぐことができます。例えば、複数のレイヤーを使って異なるパーツに分けたキャラクターを作成した場合、これらのレイヤーを結合することで、よりシンプルな絵を描くことができます。これにより、絵が整理され、より多くのレイヤーを配置するためのスペースを確保できます。

レイヤーのエクスポート

SketchBook Proなどの一部のiPad用アートアプリでは、アプリ内で作成した元のレイヤーを含む最終アートワークを.PSD(Photoshopドキュメント)として書き出すことができます。これは、デスクトップアプリケーションでアートワークの編集作業を続けたい場合に特に便利です。